内科全般の各種検査
食道・胃十二指腸内視鏡検査(胃カメラ)
小さなカメラによって食道・胃のポリープやがん、炎症などを調べる検査です。逆流性食道炎、食道がん、胃がん、胃・十二指腸潰瘍などの診断に用いられます。
*詳細はこちらをご覧ください。
胸部レントゲン検査
心臓をはじめ、肺や大動脈などの形や大きさ・状態などを、X線を用いて映し出し、調べる検査です。心臓の形状、肺の動・静脈の様子ほか、様々なことがわかります。
腹部レントゲン検査
腹腔内に異常が無いかどうかを調べるための一番基本的な検査です。腹部臓器の状態、腸閉塞や腸管穿孔、異常なガスや腹水、結石の有無などがわかります。
心臓超音波検査
心臓に超音波を当て、返ってきた反射波を画像に映し出し、心臓の様子を見る検査です。心筋梗塞や心臓肥大、弁膜症などの疾患を確認することができます。
腹部超音波検査
腹部に超音波を当て、返ってきた反射波のデータをコンピュータ処理により画像化する検査です。脂肪肝、急性胆嚢炎、胆石症、腎結石などの診断に用いられます。
心電図検査
心臓の中で生じている微かな電気的変化を経時的に記録します。心臓の収縮・拡張の様子は正常か、心筋に異常は無いか、冠動脈の血流は円滑か、などがわかります。
ホルター(24時間)心電図検査
小型・軽量な装置を身につけて日常生活を送り、長時間にわたる心電図を記録・解析、観察する検査です。通常の心電図検査では見つからない心疾患の発見が可能です。
肺機能検査
肺の容積や換気機能を調べる検査で、一般にスパイロメーターという計測器を用います。息切れ、呼吸苦、咳、痰などの症状から、肺疾患が考えられる際に行われます。
血液検査各種(大半の結果は翌日には判明します)
血液を採取して、その中身を調べることで、貧血、肝臓や腎臓の機能障害、脂質異常症、糖尿病をはじめ、全身にわたる病気や異常がわかります。
骨密度測定
骨の強さを判定する際の重要な尺度である骨密度(単位体積あたりの骨量)を測定し、骨粗鬆症の診断や治療の経過観察、また骨折リスクの予測を行います。
動脈硬化検査
動脈硬化とは、心臓から体の各部分へと血液を運ぶ動脈がコレステロールの蓄積などによって硬くなり、しなやかさを失った状態です。この動脈硬化の程度を調べます。
※CT検査やMRI検査が必要な時は、当院より直接、病院放射線科に予約いたします。患者様は検査当日に病院に行っていただくだけで結構です。
※入院治療が必要な場合は、迅速に病院に紹介いたします。
食道・胃十二指腸検査(胃カメラ)
胃カメラとは
胃カメラ(上部内視鏡)は、咽頭、食道、胃、十二指腸までを調べることができます。
胃カメラ検査を定期的に受けておくことで、万が一胃がんになっていても早期発見の確率が飛躍的に高まりますので、40歳以上の方でこの検査の経験が無い方は、ぜひ一度お受けになってください。特に、慢性萎縮性胃炎やピロリ菌感染のある方には、定期的な胃カメラ検査をお勧めしております。
経口内視鏡と経鼻内視鏡
当院では従来の経口内視鏡に加えて、口から入れるよりもオエとなる事が少ないため、楽に検査ができる'鼻からの内視鏡'を導入しています。
従来型電子スコープ先端部径は9㎜であるが、当院が使用している内視鏡は細径(5.9mm)のため、
- 挿入時の嘔吐感がほとんど無く
- 検査中も会話が可能であり
- 検査後も仕事や家事、車の運転、飲水、などが、すぐに出来ます。
また、当院では、最新鋭のレーザー内視鏡を導入しております。病変の局在診断のみならず、質的診断にも有効です。
※ご希望の方には、鎮静剤を静脈注射しながら、眠っている間に検査を行いますので(痛みの少ない内視鏡)、遠慮無くお申し出ください。
検査前日・当日の注意点
検査前日- 前日の夕食は、なるべく早めに済ませるようにしてください。
- アルコールは、できれば控えてください。
- 遅くとも午後9時を過ぎたら飲食、服薬をしないようにしてください。
- 検査が終わるまで、飲食は禁止です。
- うがいは構いません。
- タバコは吸わないでください(胃液が多くなり、検査・診断が行いにくくなります)。
- リラックスして検査が受けられるように、ゆったりとした服装でご来院ください。
経鼻内視鏡検査の流れ
1.問診
経鼻内視鏡検査を行うにあたり、リスクが伴わないかをチェックします。 特に、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬剤)を服用している方は出血しやすく、検査に注意を要しますので、必ず事前に申し出てください。
2.消泡剤を飲みます。
胃の中の泡を消して胃壁をきれいにし、観察しやすくするためです。
3.胃カメラを挿入する方の鼻を選択します。
鼻翼を片側ずつ押さえて鼻呼吸をし、鼻の通りの良い方を確認して、どちらの鼻から胃カメラを挿入するかを選びます。
4.両方の鼻腔に局所血管収縮薬を噴霧します。
鼻腔粘膜の血管を収縮させて出血しにくくするとともに、鼻の通りを良くするためです。
5.鼻腔に麻酔薬を注入して、局所麻酔を行います。
6.麻酔薬を塗ったチューブ(先端部径約5.9mm)を挿入し、5分間ほど留置します。
鼻腔の痛みを抑え、胃カメラの通過を滑らかにするためです。
7.左側を下にしてベッドに横になり、検査が始まります。
8.鼻から内視鏡を挿入していきます。
経鼻ですと、口は自由に動かせますので、検査中も医師らスタッフとの会話が可能です。疑問に思うことが出てきましたら、ご質問ください。
9.食道、胃、十二指腸を観察します。
検査後も仕事や家事、車の運転、飲水などが、すぐに行えます。
検査後の注意点
- 鼻を強くかまないでください。
- 検査後、1時間程度は飲食を控えてください。
- 組織検査を行った方は、お食事は2時間以上経過してからにしてください。
また、検査後2~3日は、アルコールや香辛料などの刺激物は控え、消化の良いものを召し上がるようにしてください。
こんな症状に胃カメラ検査をお勧めします
- 上腹部が痛む
- 胃に不快感がある
- 胸やけがする
- 吐き気、嘔吐を催す
- 喉、または胸につかえ感がある
- 黒い便が出る
- 貧血を指摘されている
- 顔色が悪いと言われる
- 体重が急に減った
- バリウムによる胃の検診で異常を指摘された
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがある
- 肝硬変と言われている
- 食道がん、胃がんを治療したことがある など
胃カメラ検査で発見される消化器疾患
胃カメラは、下記のような病気の診断に有効です。
- 逆流性食道炎
- 食道がん
- 胃潰瘍
- 急性/慢性胃炎(ヘリコバクター)
- 胃がん
- 十二指腸潰瘍
- 十二指腸がん など
内視鏡洗浄機の導入について
内視鏡は患者さんの体内に入る医療機器です。当院では、オゾン水により内視鏡を消毒する機械を導入しています。
酸素と水を原料に、消毒処理ごとに新鮮なオゾン水を装置の中で生成します。薬剤の様に使い回しをすることはありません。
より安心して検査を受けていただけるよう努めております。
ピロリ菌検査各種
胃がんとピロリ菌
ピロリ菌に感染すると、多くのケースで胃粘膜が炎症を起こし、慢性胃炎や胃粘膜の組織が減少する萎縮性胃炎へと進行していきます。
この萎縮性胃炎は「前がん状態」とも呼ばれ、胃がんの発症リスクが非常に高い病態です。そして日本人の胃がんの99%にピロリ菌が関与していることがわかってきました。胃がんの発症を防ぐ意味でも、ピロリ菌の除菌が大いに推奨されます。
当院でも、ピロリ菌の感染診断と除菌治療を積極的に行っております。
胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌
ピロリ菌が胃壁に取り付くと、細胞を弱らせてしまう毒素を出し始めます。すると、菌を排除しようとして血液中の白血球やリンパ球が付近に集まります。
両者の戦いが激しくなると、胃の粘膜が炎症を起こして胃炎になったり、胃や十二指腸の粘膜が深くえぐられて消化性潰瘍になったりすると考えられます。
ピロリ菌の検査
当院では、胃にピロリ菌がいるかどうかの検査を行っております。
ピロリ菌の検査には、内視鏡検査(胃カメラ)を伴う方法と、内視鏡検査を伴わない方法があり、それぞれ3つずつ、全部で6つの方法があります。
内視鏡検査を伴う方法
内視鏡で胃の粘膜を少量採取し、下記のいずれかの方法で検査します。
培養法
胃の粘膜を磨り潰し、ピロリ菌の発育環境下で5〜7日間培養して判定します。
迅速ウレアーゼ法
ピロリ菌がもつウレアーゼという酵素の働きによってつくられるアンモニアの有無を調べます。
組織鏡検法
胃粘膜の組織標本に特殊な染色をし、顕微鏡でピロリ菌がいるかどうかを調べます。
内視鏡検査を伴わない方法
内視鏡検査を行わずに、下記のいずれかの方法で検査します。
尿素呼気試験
呼気(吐き出した息)を集めて診断する、最も精度の高い方法です。ピロリ菌がもつウレアーゼという酵素の働きによってつくられる二酸化炭素の量を調べます。
抗体測定法
ピロリ菌に対する抗体が、血液や尿に存在するかどうかを調べる方法です。
糞便中抗原測定法
糞便中にピロリ菌の抗原(細菌毒素や菌体成分)があるかどうかを調べる方法です。
※保険適応でピロリ菌の検査が行えるのは、胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎、早期胃がんに対する内視鏡的治療後の患者さんです。
ピロリ菌の除菌
ピロリ菌の除菌には、プロトンポンプ阻害薬(胃酸の分泌を抑える薬)と抗生物質を7日間服用します。プロトンポンプ阻害薬で胃酸の分泌を抑えておいてから、抗生物質でピロリ菌を除菌するのです。
服用終了後から約1ヶ月後以降に、除菌療法の効果を判定します。
この方法による除菌率は、わが国では70~90%と報告されています。
最初の除菌療法でうまくいかなかった場合は、違う薬を使って再度、除菌療法を行うことができます。これにより、さらに90%以上の方で除菌が可能と言われています。
この除菌を行えば、感染期間が長きにわたっていて、萎縮性胃炎の進んだ人についても発がんリスクを減らすことができます。